前回の記事では、ロジカルシンキングは「勉強」ではなく、
実践の中で身につくものだ、という話をしました。
今回は、その続きです。
少しだけ、強い言い方をします。
ロジカルシンキングは、最初に“学んではいけない”。
因果?演繹?帰納?

「ロジカルシンキング」と検索すると、必ず出てくる言葉があります。
- 因果関係
- 演繹法
- 帰納法
- ロジックツリー
意味を調べると、ちゃんと説明が出てきます。
でも正直に言うと、
「で、明日の仕事でどう使うの?」
という感覚になりませんか?
理解はできる。でも、使える気がしない。
ここが、多くの人がつまずくポイントです。
順番が逆になっている
多くの人は、
① まず理論を学ぶ
② それを使おうとする
という順番を取ります。
でも実際は、
① 使う
② 失敗する
③ 修正する
④ その後で理論を整理する
この順番のほうが、圧倒的に身につきます。
実際にロジカルシンキングを身につけた方法
振り返ると、私は最初からロジカルシンキングを学んでいたわけではありません。
若手のころは、
「何が言いたいの?」
「順番がおかしい」
「前提が抜けている」
と何度も言われ、そのたびに資料を直し、また直し、また直す。

その繰り返しの中で、
「あ、この順番だと伝わるんだな」
「この説明はズレているかもしれない」
という“感覚”が育っていきました。
そのあとで本を読むと、
「あ、このことを因果というんだ」
「あ、これがロジックツリーか」
と、自分の頭の中にある思考法を、ロジカルシンキングというフレームで整理できたのです。
つまり、ロジカルシンキングは、最初に“覚える”ものではありません。
考えて、
失敗して、
修正して、
そのあとに整理する。
順番を間違えなければ、
誰でも少しずつ身についていきます。
ロジカル思考の正体
ロジカル思考とは、頭の中で図をきれいに描くことではありません。
本質は、
- ズレに気づくこと
- 違和感に反応すること
- 「何か足りない」と感じられること
です。
この感覚が育っていくと、説明が通るかどうかを“なんとなく”分かるようになります。
これは単なる直感ではありません。
経験によって磨かれた、精度の高い判断力です。
AI時代にこそ、順番が大事
今はAIがあります。
構成も、文章も、ある程度は自動で出てきます。
だからこそ、「自分の頭で考える時間」がますます重要になります。
AIの答えを見たときに、
「なんか違う」
「ここはいい」
と判断できるかどうか。それは、自分で考えた経験があるかどうかで決まります。

自分の軸がある人は、AIを使いこなせる。
軸がなければ、AIに使われる。
その違いは、これからの時代を生きる上で、決定的な差になります。
次回予告
ここまで読んで、「なるほど、ロジカルシンキングって練習なんだ」
と思ってくれたかもしれません。
でも、実はもう一つ、大事な話があります。
考える力(Do)だけでは足りない。
ビジネスの世界で長く健やかに生きるために、もう一つ磨くべきもの。
それが「Be」という考え方です。
次回は、なぜビジネスに“あり方”が必要なのか。
少し、私自身の遠回りの話も含めて書きます。