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サステナ/DE&I浸透に効く!事例に学ぶいつもの仕事を創造的に変える3つの実践メソッド

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長縄 美紀
クリエイティブディレクター
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2025,12,05
#イベント
#事例

社長から大絶賛され、アンケートの約9割が「参考になった」と答えたDE&Iレポートがあります。

DE&Iやサステナビリティのレポートは、「大事なのは分かるけれど、なかなか読まれない」という悩みもつきもの。そんななかで、経営層から現場まで、想定以上の手応えにつながったのはなぜだったのでしょうか。

本記事では、大手金融グループのダイバーシティ推進室と進めた本プロジェクトから抽出された「仕事を創造的にアップデートする」ためのヒントをお届けします。

※この記事は、2025年に行われたオンラインセミナーを再構成したものです。当日のエッセンスを編集して、お届けします。
登壇者:藤本海(かい):ファシリテーター 長縄美紀(みっきー):クリエイティブディレクター 稲村健夫(いな):イマココラボ共同代表

    大手金融グループのDE&Iレポートで「マンガ」にチャレンジ

    ▲マンガを取り入れたDE&Iレポート。全体はこちら(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のサイトが開きます)

    みっきー お客様は大手金融会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券会社様のダイバーシティ推進室。「ダイバーシティレポート」の作成のお仕事をイマココラボが担当しました。

    ご相談の背景には、「DE&Iの取り組みを社内外に発信しているが、もっと関心を持つ人を増やしたい」という強い想いがありました。そこで今回「マンガ」を取り入れることにチャレンジ。納期が実質2ヶ月というタイトな中、どのように発想を広げていったのか。このプロジェクトから抽出されたポイントを、皆さんにお伝えしたいと思います。

    いつもの仕事を創造的に変える3つの実践メソッド

    みっきー これは広報物づくりだけではなく、商品・サービスの企画、社内研修の設計、採用・広報・営業活動など、目の前の仕事をもう一段おもしろく、手応えのあるものにしていくための考え方でもあります。

    1.好奇心と探求のアクティベート

    みっきー 今回のプロジェクトでは、いきなり「何を作るか」の議論に入るのではなく、

    • 関わるメンバーそれぞれがどんな思いでこのテーマに向き合っているのか
    • これまでの仕事や人生のなかで、どんな経験が今の視点につながっているのか

    といった「人としてのストーリー」を初回のミーティングで丁寧に聞き合うところから始めました。

    いな こうした問いを通じて、「やるべき仕事」だったテーマが、少しずつ「自分の人生の一部として関わりたい仕事」に変わっていきます。

    みっきー 目の前の仕事と自分自身のストーリーがつながるとき、「とりあえず終わらせる仕事」は「もう少し深く取り組んでみたい仕事」に変わり始めます。これが、最初のメソッド「好奇心と探求のアクティベート」です。

    2.ナナメ上の発想を引き出す問い

    いな 2つ目のメソッドは、「考え方の枠をひとつはずす問い」を用意しておくことです。

    まじめに考えれば考えるほど、発想は普段のロジックから外れにくくなります。そこから一歩抜け出すために役立つのが、「視点をずらす」問いです。

    いな 問いを使って意図的に視座を変えることで、普段とは違う発想をし、答えを導き出すことができます。

    3.盤石のプロジェクトマネジメント

    みっきー 3つ目のメソッドは、一見するととても実務的です。しかし、ここがしっかりしているほど、前の2つのメソッドが活きてきます。創造的な仕事に取り組もうとするとき、よく起きるのが

    • 対話や検討の時間をきちんと確保できない
    • 直前になってバタバタし、結局「いつもの形」に落ち着いてしまう

    という状況です。今回のプロジェクトでは、

    • いつまでに何を決めるのか
    • そのために、どのタイミングでどれくらい「考えるための余白」を取るのか
    • 誰がどの役割を担い、どこまで一緒に作り込むのか

    といったポイントを、最初の段階でかなり丁寧に設計していきました。

    いな ポイントは、「余白の時間」を後からひねり出すのではなく、初めからスケジュールに組み込むことです。

    • 初回ミーティングは、結論を出すよりも「関係性をつくる」ために使う
    • 中盤のワークショップは、「ナナメ上の発想を試す場」として、あえてたっぷり時間をかける
    • 終盤は、出てきたアイデアを形に落とし込むことに集中する

    このように、プロジェクト全体を「対話→飛躍→実装」という流れでマネジメントすることで、安心して創造的な試行錯誤ができる土台ができます。

    これが3つ目のメソッド「盤石のプロジェクトマネジメント」です。

    さぁ、仕事を冒険にアップデートしよう

    ここまでご紹介してきた3つのメソッドは、特別なプロジェクトだけのものではありません。

    • 毎年同じように繰り返している社内イベント
    • 形式が決まってしまっている報告書やレポート
    • つい「前例どおり」で進めがちな研修や採用・広報の企画

    そんな「いつもの仕事」にこそ、持ち込んでみる価値のあるレンズです。

    あなたの仕事のなかで、
    この3つのメソッドを試してみるとしたら、どのテーマが思い浮かぶでしょうか。

    皆さんとのお仕事で、仕事を冒険にアップデートする対話ができることを楽しみにしています。